167話 初恋ゾンビ イヴノート(感想②)
ラストのシーンでイヴがいたから、イヴはタロウの傍にいるという死体に鞭打つリプがきた。
では、なぜタロウは泣いていたのか?イヴを浄化させたから。
タロウは指宿くんを選んでイヴを浄化させた、殺したのは紛れもない事実。イヴ殺しの罪を被らないようにするため、死んでいるのに生きてることにした。イヴは作者と読者によって理想と都合の産物、初恋ゾンビに仕立てあげられたのだ。
死人に口無し、まさに死者を冒涜する行為である。
イヴは恋人としてタロウの傍にいたかった。普通の女の子が与える喜びを与えられなくても、それでも好きだと言ってくれたので、タロウを幸せにしたかった。
しかし、本当はタロウは指宿くんのことが好きで、だけどタロウには自分を浄化する覚悟がない。
自分は愛するタロウを幸せにすることができない。タロウの幸せには指宿くんが傍に必要と覚悟を決め、タロウに自分は人間ではないと未練を断ち切らせるように誘導し、浄化こそが自分の幸せである、浄化は死でなくタロウとの同化だと、タロウが背負うはずのイヴ殺しの罪を被って旅立ってしまった。
愛する人のために身を投げ出すこんな良い子に残酷な仕打ちをする初恋ゾンビという物語を私は絶対に許さない。
- 作者: 峰浪りょう
- 出版社/メーカー: 小学館
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- メディア: コミック
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